2006年11月29日

生活習慣病は生活習慣で治す

 死の四重奏、「メタボリックシンドローム」が世に現れて以来、かなりの時間が経つ。しかし、いっこうに良い結果見えたりの反応が現れない。
 その理由は、問題の太鼓腹にあるのかも知れない。メタボリックシンドロームの正面には、腹囲、つまり「太鼓腹」がデンと収まってしまる。太鼓腹はお相撲でも見慣れている。確かに恐怖心が湧きにくい。また、日本人は、太鼓腹に意外と寛容である。布袋さまの太鼓腹を見て、和む気持ちがなせる業だろうか。
 専門家である医師でさえ、動脈硬化と腹囲の関係を重視するものは少ない。わが国でさえ17%、その他の主要27ヵ国にいたっては10%前後という、体たらくである。
 といわれても、死の四重奏は、確実に忍び寄ってくる。メタボリックシンドローム退治の二本柱は、減量と運動である。両者のどちらが欠けても、効果は上がらない。
 「では減量と運動を開始!!」この言葉を耳にしただけで後ずさり。問題はここにある。良いと分かっていても、実行はイヤ。知識としては知っていたいが、汗をかいてまでの実行継続には、二の足を踏む。曰く、何にもしないで健康になれる方法はないものか。
 メタボリックシンドローム退治の二本柱である減量と運動を検証してみよう。
 まず減量。案に相違して、食べ物の話は一切ストップ。お馴染みの脂肪何グラム、糖質何グラムなどのメニューも、過酷で実行も継続も困難なためにカット・オフ。その代わり、よく噛むこと。
よく噛み咀嚼回数を増やすためには、一食一品堅めの食品を用意しよう。咀嚼回数さえ増えれば、早期満腹も実現するし、何より脂肪燃焼のためのアドレナリンの分泌が促進される。
 さらに、もう一工夫。毎日の体重測定が登場する。不思議なことに、毎日体重を測定するだけで、減量効果が現れる。心理的要素か。それとも、増えたり減ったりの興味心か。多くの研究所での調査結果は、いずれも減量効果ありと判定されている。
 運動法も、ハードでないことが大原則。早稲田大のスポーツ科学学術院の報告では、ハードな運動は、かえって最大脂肪燃焼量を減らしてしまうという。
 最大脂肪燃焼量が減っては、それこそ元も子もない。そこで、こんな運動法をトライしたい。まず立つこと。揺れる電車の中で、何も掴まらずに立てみる。意外に大きな運動量になる。
 さらに、立つことは次の行動への準備態勢。すなわち、次なる動くことにつながる。こうしたつながりが、家庭内の小動きを増やし、全運動量の増加につながってゆく。
生活習慣は決してハードなものでない。ハードでないからこそ、何の苦もなく、毎日積み重なってゆく。苦のないことが災いして、「負」の側に傾いてゆく。
 「死の四重奏」とは、生活習慣の積み重ねの方向が、残念ながら「負」の側に傾いたための結果である。
 「死の四重奏」と正面切っての決戦となれば、それなりの強力かつ理想の手段が必要となる。強力も理想も結構。だが、強力や理想に近づくほど、ハードルは高くなる
そして、実行と継続が難しくなる。実行と継続が困難となって、中断となれば、理想も画餅となってしまう。
 さらに恐ろしいことは、中断の結果、いつしか「負」の生活習慣に負けて、「正」の生活習慣は消えてゆく。そして残ったものは、「死の四重奏」。
 ならばちょっぴり、生活習慣を「正」の方向に路線変更してみよう。そして、毎日の積み重ね。積み重ね効果の大きさは、「負」の生活習慣で証明済みである。「正」のそれが積み重なれば、やがては、「死の四重奏」を打ち砕く、最強の武器となる。
 もともとメタボリックシンドローム対策の基本は、「急がず、慌てず、ユックリと」である。「現在の腹囲、または体重の4%を、3~6ヶ月かけて、ユックリと減らせばよろしい」というのが多くの専門家のご意見である。
「急がず、慌てず、ユックリと」こそ、私の提案した、「メタボリックシンドローム対策四本柱」とピッタリと一致する。四本柱の内容とは よく噛むこと、毎日の体重測定すること、立つこと、家庭内の小動きを増やすこと、である。そして、この四本柱こそ、生活習慣である。
 生活習慣から生まれた疾患は生活習慣で治す。毎日のラクな「正」の生活習慣で、メタボリックシンドロームに、強力なとどめを刺そうではないか。
posted by えいちゃん at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム